蔵王 福岡


蔵王
 名物樹氷の間をスキーで滑る映像は、スキーヤーにとっては聖地を思わせるほどのあこがれ。
 仙台から近いことが前夜に判明。仙台の予定がキャンセルになったので山形まで足を運ぶ。
 日ごろカーナビを使い慣れていないのでGPSの「50mの誤差」に何度か手前の交差点を
 曲がってしまうも 修正して蔵王温泉に到着した。

 ケーブルカーで山頂まで上がる。乗客2名。函館山とは正反対。2名といってももう一人は、山頂にある
 レストランで働く地元の人。景色を見させてくれないくらいにフレンドリーに話しかけられて仲良しになった。
 福岡出身でおそらく既婚者?九州人というので仙台で渡しそびれた、甘口の醤油と黒豚みそを
 プレゼントしたら、、ものすごーく喜んでいた。
 「温泉に入るか、お釜にするか」とアドバイスされた。
 「お釜?」蔵王の予備知識がないのでさっぱり意味不明。
 お釜で湯を沸かす風呂?どちらにしても入浴か?
 頂上で金沢からひとりで山歩きに来ているご婦人に「お釜をまわってきましたか」と問われ、
 「今着いたばかりです」と適当に返事した。
 タブレットを取り出して検索。するとお釜の意味がわかった。
 なんと恥ずかしいことでしょう。突然の変更でも最低限の知識は事前に!
 
 高山植物が咲いているスキー場ゲレンデを徒歩で降りて、リフトで上がる散策後、ロープウェイ乗り場へ。
 時間待ちしていると、先ほどのお姉さんが「私はそば屋だから蔵王のそばを鹿児島で食べてください」と
 そばを手渡されて、物々交換成立。
 
 お釜では時間的に行けそうになかったので温泉に入ることにして手打ちそば定食付き温泉券を購入。
 いい感じの温泉と硬めの十割そばをいただき、居眠り運転に気をつけながら再び仙台へ。
 仙台駅地下のレストランで牛タン焼きビールセットを注文して、東北へのいとしさと旅の終わりが近いせつなさを
 しんみりと想いながら仙台空港へ。


仙台→福岡→鹿児島
 「ぜひ空港で飲んでみてください」と勧められた「ずんだシェイク」を飲み干して、福岡行きのANA便に搭乗。
 これまで雨に降られていなかったのに飛行機の窓から雨を確認した。
 東北にできるだけ長くいられるとして選択した仙台―福岡線。不安は、福岡空港着と博多駅発の最終新幹線
 の乗り継ぎ時間が49分だったこと。普通通りに着けば、余裕で乗り継ぎできる。
 福岡空港は、博多駅まで15分という日本一の便利な空港だから
 飛行機に乗り込んだのになかなかエプロンを離れない。
 「福岡空港が混雑のため15分の時間調整が必要です。お急ぎのところ申し訳ございません」
 めったにないことだけど今日はホントに急いでいるのですが・・・。
 出発側のトラブルならスピードを上げて飛んで到着時刻を調整するけど、到着地のことだから速度をあげていない。
 
 15分遅れて着陸。35分あればなんとか行ける。そこで機内アナウンス。
 「本日、ボーディングブリッジ工事中のため、降機場までバスにてご案内いたします。お急ぎのところ申し訳ございません」
 ここからは分単位の勝負となる。160人ほど乗ってるからバスは3台?何がなんでも1台目に!ぎりセーフ。
 バスを降りて時計を見ると10時。あと24分しかない。地下鉄で13分かかる。ただし夜は間隔が長い。ダメだ。
 
 タクシーに飛び乗る。残り20分。「博多駅までお願いします。15分で着きますか?」
 「保証はできんけど、混んでなければ」との返事。1週間ぶりの汗だく状態。
 5分前に到着。ほっと一息ではない。ネットで予約した新幹線の切符を受け取り機でとらなければ。
 クレジットカードを入れて電話番号を入力。「「取り扱いできません」2回目もアウト。
 あと残り3分。焦る、焦る。3台並んでいる受け取り機。よく見ると2台はJR西日本、もう1台がJR九州。
 機械違い。

 九州の人たちが、かなりイラついているこの問題がここで勃発。
 会社が違うからいろいろ面倒なことが。
 博多からの上りと下りでは、切符の自販機もみどりの窓口もそれぞれ異なる。
 時間があれば間違えばやり直せる。冷静でなくドタバタしているとこのようなパニックに。
 お得な切符もそれぞれで企画しているので乗り継ぐ場合は、別々に乗車券を買うとお得なことが多い。
 通しで買うと割引なし。大阪―鹿児島を買うとき大阪―博多、博多―鹿児島の2種類を購入すれば
 安いこともある。
 
 残り1分前にチケットをゲットできて、ホームへ。ぎりぎりのスリルを味わい冷やせいっぱい。
 もし間に合わなければ、1泊するか、高速バスの深夜便の選択しかない。
 もちろん、新幹線最終のチケットは無駄になった。
 日付が変わる10分前に鹿児島中央駅に到着。
 最後までラッキーな旅でなにより、なにより